PART2 Introduction

 西暦は2300年をもって廃止され、世界標準暦、宇宙暦を経て、新宇宙暦が施行されて100年近くが経とうとしていた。
 世界標準暦は宗教と民族の垣根を超えた世界を標榜して名付けられ、その歴史1000年の間に地球統一国家のもと世界政府を実現させる。
 その世界政府によって制定された宇宙暦は、その名の通り宇宙開発時代を象徴している。まず火星や月軌道上に大型の宇宙ステーションが建設され、それらを拠点に太陽系内惑星の資源開発が進められる。更にワープ航法の実用化により太陽系外の植民星開拓が可能になり、銀河系内にいくつか人間が居住できそうな地球型惑星が発見された。
 一方、故郷地球の資源は枯渇し、大気・海洋・土壌の汚染は深刻化の一途を辿っていた。宇宙暦時代は、地球を喰い潰した人類が生き残る世界を宇宙へ求めた時代であった。
 実際、人類は地球から解き放たれようとしているかに見えた。
 宇宙暦1400年代、世界各地で復古主義が隆盛する。世界政府は形骸化し、古代西暦時代の地図を復元したかのような王朝・帝政国家が各地で復活した。こうして宇宙暦1502年、統一国家は事実上崩壊し、新宇宙暦へ移行した。
 人口は減り続け、人工食糧による免疫機能の低下でアレルギー疾患が多発。人間はドーム都市から離れては生きられなくなった。かつて強靭だった肉体は喪われ、豊かな自然に育まれてきた精神活動は行き詰まっていった。暗く鬱屈した、行き場のない衝動に支配され、数千年にわたって封印されてきた「戦争」が起きようとしていた。膨大な時間と多大な努力により築き上げてきた平和で平等で安定した社会は、今まさに破壊されようとしていた。
 世界は、ゆっくりと死に絶えようとしていた。

8弦ギター女性ボーカルロックバンドKALEIDOSTYLEのオフィシャルWEBサイト